鍛造用材料
東に大山(だいせん)、西に宍道湖を望むハガネの故郷ともいえる島根県安来(やすぎ)市は「出雲」と「伯耆」の鋼を積み出す港町でした。
中国山地に産する真砂砂鉄(まささてつ)は不純物が少なく、日本伝統の「たたら製鉄法」によって玉鋼に精錬され、千有余年に及ぶ全国の刀匠の伝承技術により日本刀に仕上げられてきたのです。この砂鉄を低温還元によって精錬して鋼の中に固溶する不純物を極力少なくすると同時に、鍛錬により粘り強い『和鋼』が生まれ、その技術が進化して現在のヤスキハガネとなったのです。
YSS (Yasugi Special Steel) と呼ばれるヤスキハガネは、
「真砂砂鉄」を「たたら精錬法」よりもさらに低い温度で低温還元した『海綿鉄』(Sponge Iron)を原材料として用いているので鋼に有害な不純物が極めて少なく、
靱性が優れ高硬度でも欠けや折れが出にくく、耐食性(錆びにくさ)が良く、耐摩耗性にも優れています。 《日立金属の資料より抜粋》