黄紙3号の同等鋼種、SK85入荷しました
今回入荷したSK85は、SK5相当の炭素工具鋼で、成分的には日立金属の黄紙3号と同等鋼種です。炭素量が0.80~0.90%程度で、斧や鉈などの鋼材の選定にもお勧めです。
ご用意したサイズは、2.5㎜、3.2㎜、4.2㎜、6㎜の4種類。包丁や小型のナイフから鉈まで作れると思います!
日立金属株式会社カタログにも「炭素工具鋼選定の際、衝撃を受ける部分に使用するもの、たとえば金型、打ち抜き型、槌など、および屈曲荷重をうけて破損しやすいもの、たとえば斧、鉈などは炭素量を1.0%以下にして、用途によって炭素量を加減して焼入れ硬化による脆化を軽減します。」という記載があります。炭素鋼ならではの切れ味や、ご自身での鍛造や熱処理を楽しみたい方にお勧めいたします。もちろん弊社で熱処理しておりますので、いつも通り熱処理品として送っていただいて大丈夫です。
※こちらにラインナップしたもの以外のサイズもお取り寄せできる場合がございますのでお気軽にご相談ください。
SK85の成分は下記。
C 0.80~0.90%、Si 0.10~0.35%、Mn 0.10~0.50%、P 0.030%以下、S 0.030%以下
ちなみに黄紙3号は以下の通り。
C 0.80~0.90%、Si 0.10~0.20%、Mn 0.20~0.30%、P 0.025%以下、S 0.006%以下
早速使ってくれたお客様
炭素鋼を使って自ら熱処理して刃物を作りたいと言っていたお客様にSK85を紹介したら早速使ってみてくれました。ご自宅でガスバーナーを使った熱処理を行って無事成功。ものすごい切れ味のアウトドアナイフを完成させていました。
このナイフはこれからソロキャンプの旅に出かけるご自身のお父様へのプレゼントだそうです。素敵ですね。
このお客様には「価格がリーズナブルで、サイズも大きめなので1本の鋼材から何本も効率的にナイフを作ることが出来るし、失敗することもあったが、熱処理の研究もまた楽しい」と大変喜んでいただきました。余った鋼材で今度は革裁ち包丁を作ったり、波紋を出す事に挑戦するそうです。
SK85は日立金属の炭素鋼が入りにくくなってきた昨今、ずっと探していた代替鋼種でした。ぜひこの機会にお試しください!