林田英樹」カテゴリーアーカイブ

3” セミ・スキナー / 林田英樹 #3

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JKGナイフショーでBest in showなどの数々の受賞歴を誇る実力者。ナイフメーカー、彫刻家、レザークラフト作家としてもすぐれた才能を併せ持つ、稀有な存在の林田英樹氏によるナイフです。

このナイフはサイズ感、取り回しの良さが人気の3”セミスキナーを林田氏のオリジナリティを加えてリデザインした1本。ブレードバックのS字曲線が際立った形状になっており、人差し指のストップとしての機ががより高くなっています。

ハンドルには鯨骨が使われています。マッコウクジラの顎の部分の骨で、ナイフハンドルとしては大変珍しく、通常使われる牛の脛骨とはまた違った風合いを持ち、質感はしっとりとして滑りにくい素材です。

マッコウクジラの顎骨──鯨が滅した後も地中に残り続けるこの骨は、古代より“不滅”の象徴として縁起物とされてきました。その希少性と神聖さは、数千キロ離れた仲間と交信する鯨の力に由来し、媽祖神を守る「順風耳」の霊力を宿すとも言われています。手にする者の道を拓き、遠くの声を聞く力を授ける──そんなロマンのある物語を秘めた素材です。

RWL34──鋼材にはRWL34が採用され、研ぎやすさ、耐食性、靭性などに優れ、アウトドアで使用するナイフの必要十分条件を完全に満たしています。ブレードは薄くホローグラインドで削られ、刃付けなどのメンテナンス性も抜群です。一点の曇りもない美しいミラーフィニッシュはアートナイフ作家の面目躍如です。

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リトル・マーメイド / 林田英樹 #2

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リトル・マーメイドをテーマとしたアートナイフ(サンフランシスコダガー)。

ブレードの正確無比なグラインド、青白く光る一級品の白蝶貝、緻密に彫られた彫刻。微細部に至るまで作者のプライドと美意識を具現化したようなナイフです。

点描で描かれた美しい人魚姫、怪しくも惹きつけられる魅力の魔女、沈没船など、見るたびに発見と驚きがあります。すべて一人の人間がこれを成し遂げたとは思えないまさに芸術品。これほどのものを作り出せる人はこの人をおいてほかにはありません。

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